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眼精疲労の原因と対策

目が乾いてショボショボしたり、かすんで見えたり、ちょっと目が疲れてるなぁと感じることはありませんか?

「仕事で1日パソコン作業だったし」

「炎天下の屋外でスポーツしていた」など

原因が思い当たることもあるかもしれません。

一晩休んで調子が回復したら、安心してください。それはちょっとした疲れ目だったのでしょう。

でも、目が覚めてもまだ目がショボショボする、かすむといった症状が残っている場合、それは眼精疲労です。ただの疲れ目とあなどってはいけません。症状が続けば心身への影響も出てきます。適切な対処をしましょう。

いま多くの人が年齢関係なく眼精疲労を起こしています。

また気が付かないうちに眼精疲労が進行して体調不良につながり苦しむ人もいます。

コロナ禍で生活スタイルの変化に伴い、ますます眼精疲労への対策が重要になります。

 

 

・  体調不良の原因は眼精疲労だった?

眼精疲労といっても現れる症状は人それぞれです。

眼の痛み、かすみ目、充血といった眼そのものに現れる症状のほかにも、慢性的な頭痛、肩こり、まぶたのけいれん、ドライアイ、集中力の低下なども眼精疲労によって起こることがあります。

 いわゆる不定愁訴といわれる体調不良の多くは、自律神経の不調が原因の一つと考えられています。自律神経の不調の原因の一つはストレスです。

ストレスの元は様々ですので、ここでは眼にかかるストレスについてご説明します。

 

 

・眼精疲労が起こるメカニズム

 

「眼の疲れ」とは、眼で働く筋肉の疲れと言えます。

両眼で何かを見る時、「視線を合わせるための外眼筋」、「ピントを合わせるための毛様体筋」、「瞳孔の大きさを変える瞳孔括約筋・瞳孔散大筋」を使います。

この3つの筋肉はそれぞれが作用しあいバランスを取って働きます。

しかし、なんらかの原因でそのバランスが崩れ、強い緊張がかかることで筋肉にコリが生じ、眼精疲労に繋がります。

また、瞳孔括約筋、瞳孔散大筋は自分の意志で動かせない不随意筋で自律神経によってコントロールされています。

 

1.長時間の手元の作業

パソコン作業や読書などで近くを見続けると、特にピント合わせの筋肉(毛様体筋)に負担がかかります。

 

2.暗いところでの手元の作業

瞳孔は暗いとことでは大きく、明るいところでは小さくなります。暗いところで読書をすると瞳孔を大きくするため焦点深度が浅くなり、ピントを合わせにくくなり、より毛様体筋の負担が大きくなります。

 

3.度の強すぎるメガネ・コンタクトレンズの使用

近視の人が度の強すぎるメガネ・コンタクトを使うと、常にピント合わせようと毛様体筋が緊張している状態となります。遠くがはっきり見えるから問題がないとは限りません。過矯正の状態が長く続くのは危険です。

 

4.遠視

遠視の人は毛様体筋がリラックスしていると遠くも近くもピントが合わないため、常に毛様体筋が緊張してピントを合わせるための力が働いています。

近視の人の過矯正のメガネと同じ状態といえますが、メガネをかけなくても見える状態なので自覚症状として感じることは難しく、体調不良として表れて初めて遠視と気が付くこともあります。

 

5.間欠性外斜視、外斜位

間欠性外斜視、外斜位の人はリラックスしていると両目の視線が開くため、1点を見るときに寄り目をする(眼球を内向きに動かす)ため外眼筋の鼻側の筋肉(内直筋)を緊張させて視線を合わせます。手元の作業では寄り眼にする度合いが大きくなるため長時間の手元の作業ではより負担が大きくなります。

 

 

 

・眼精疲労になったら

 

まずは眼科で診断を受けましょう。

眼の病気が原因となっていたり、他の持病がある場合などは主治医と相談しましょう。

 

眼の病気がなかった場合、生活リズムを整えましょう。

長時間の手元の作業が続けば、休憩を取りながら行いましょう。ここでの休憩とは眼を休ませることですから、遠くの景色を見たり、身体の伸びをしたり筋肉の緊張をほぐすようにしましょう。

読書なども明るい場所で行うのが理想ですが、部屋が暗い場合などはデスクライトなど照明器具を使って対応しましょう。

寝不足や偏食も疲労回復には天敵です。

 

そして大事なことは、眼の筋肉に負担をかけない見方をすることです。

 

多くの方に声を大にして伝えたい

 

デスクワークにおいて

「遠くがはっきり見える≠良い見え方」である

 

遠くがよく見えるメガネ・コンタクトレンズのまま近い距離を見続けると、ピント合わせをする毛様体筋、視線を合わせる外眼筋に緊張が続きます。

パソコンのディスプレイや作業する距離に合わせたメガネをかけることで、眼の筋肉への負担が減り、眼精疲労も軽減されます。

 

室内で過ごす時間が長くなった昨今、眼の使い方、見方も変化にうまく対応して負担を減らしましょう。